ソーシャル・シグナルの共有と拡張による共感的行動の支援
2019.10.01
R1年度から人工知能研究室が中心となり,慶應義塾大学と共同で「ソーシャル・シグナル」研究プロジェクトを開始します.これは,筑波大学、慶應義塾大学を中心に,筑波大学附属特別支援学校や民間企業らとともに取り組むJST CRESTプロジェクト*(2019-2025)です。
本研究では,ソーシャル・シグナルを共有及び拡張する人間拡張技術,それに伴う神経基盤の理解,及び実証研究を通じて人々の意図伝達を拡張し,他者理解を助け,また共感的行動を支援することが可能であることを示していきます.ここでは,人々の社会的インタラクションを一連の行動連鎖とするモデルとし,人々のにおけるソーシャル・シグナルの情報処理過程の理解を深化させるとともに,共感的な行動応答を生成する共感的AIの基盤を創出することを目指します.
人々が相互に理解しあうことは,人の意図伝達と他者理解によりなされる「共生インタラクション」の中核を担うものであり,ここでは「共感的行動」が重要な役割を果たします.本研究は,人々の意図伝達と他者理解を支える人間拡張技術の革新という学術的意義を有するとともに,これらに困難を抱える方々の支援を実践するという大きな社会的意義があります.さらに,共感的行動の理解と支援により未来の人間支援学と協力と社会的責任を重んじる共生社会の実現へ貢献する「こころを支える情報学」という社会イノベーションを目指すものです.
*JST(科学技術振興機構)が推進するCREST研究とは,国が定める戦略目標の達成に向けて,独創的で国際的に高い水準の課題達成型基礎研究を通じ,科学技術イノベーションを生み出す卓越した革新的技術シーズを創出することを目的とするネットワーク型研究(チーム型)です.
ソーシャル・イメージング:創造的活動促進と社会性形成支援(2014-2020)
2014.10.01
H26年度から人工知能研究室が中心となり,慶應義塾大学と共同で「ソーシャル・イメージング」研究プロジェクトを開始します.これは,筑波大学、慶應義塾大学を中心に、筑波大学附属特別支援学校やNPO法人とともに取り組むJST CRESTプロジェクト*(2014-2020)です。
本研究では,複数人からなる社会的行動を計測する手法である「ソーシャル・イメージング」基盤技術の確立を目指します.これは装着型機器と画像計測を活用することで,身体運動のみならず,複数人のグループダイナミクス,さらに表情や生理状態といった情動の変化を示す社会的行動の計測をも可能とする新技術であり,独創的な人間情報学分野の基盤研究です.
さらに,装着型機器による光提示フィードバックや,先進的な画像計測や複合現実感を利用し,先進的実証拠点である筑波大学附属特別支援学校や特定非営利活動法人を含む4拠点と有機的に連携することで,自閉症スペクトラム障害児を中心とした発達障害児の療育支援へ応用するという情報学・臨床心理学的にも挑戦的な課題です.未来の子ども達のために創造的な活動を促進する情報環境の実現,発達支援法の定量的なエビデンス検証,神経基盤を明らかにする臨床発達神経科学の基礎研究や実証研究に挑戦します.
*JST(科学技術振興機構)が推進するCREST研究とは,国が定める戦略目標の達成に向けて,独創的で国際的に高い水準の課題達成型基礎研究を通じ,科学技術イノベーションを生み出す卓越した革新的技術シーズを創出することを目的とするネットワーク型研究(チーム型)です.
研究キーワード:ソーシャルインタラクション、ウェアラブル機器、複合現実感、人工知能、拡張現実、人間行動計測、パターン認識、発達障害、発達支援、特別支援教育、障害児教育、自閉症スペクトラム障害
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