ここでは,人と機械との協調という観点から,移動ロボットの適応的遠隔操作について新しい手法を提案しています.無線LAN を使用した屋内での小型移動ロボットの遠隔操作において,移動ロボットに搭載したカメラ画像を操作者に提示する際,情報伝送路の状態によってデータ通信時の伝送遅延または通信の切断が生じます.これらは,アクセスポイントとの距離や障害等,またアクセスポイント間での切り替え等の原因からなり,この伝送遅延や通信の切断は不規則に変化し事前に予測することは困難です.特に画像伝送遅延が大きく,1fps 程度の画像伝送レートとなるような場合,移動ロボットの遠隔操作はより困難になります.一方で,円滑な操作を行うために操作者へ提示する画像は高解像度の画像が求められるが,高解像度画像の送信は画像伝送遅延が大きくなる原因です.
これらの問題を回避するため,操作者の操作と移動ロボットの自律動作を協調させ,また移動ロボットの動きと操作者への提示画像を同期させないことによって伝送遅延を感じさせること無く容易に操作可能とする手法を提案しています.ここでは,伝送遅延を考慮しない一般の遠隔操作と比較を行うとともに,異なる提示画像生成手法についても比較検討することで,提案するシステムの有効性を検証しました.
人間機械協調系における適応的遠隔操作について権限の委譲という考え方について研究を行っています.
年度: 2006-
メンバー:
大垣 史迅
鈴木 健嗣
共同研究:
Tags:
- 次世代知能化技術