近年,工学・医療・生物分野において対象物の微小化に伴い,微小物体のマニピュレーションが必要とされています.このような場面では,ロボットアームを利用し,個別に対象物を扱う機器や輸送面を微細に振動することで複数の対象物を扱う手法が提案されています.しかし,脆弱及び柔軟な物体のマニピュレーションのためには微細な操作技術が必要であり,機器と物体の衝突を引き起こしやすいという課題があります.脆弱及び柔軟な物体を容易に扱うことが可能であり,複数物体のマニピュレーションが可能なシステムを実現するためには,素材が非常に柔軟であり,複数物体を扱うことが可能な輸送面を持つシステムが望ましい.そこで我々は磁性流体を構成要素としたシート型ソフトロボットを提案し,物体の輸送やハンドリングが可能であるかどうかについて検証しています.
シート型ソフトロボットはポリエチレン素材の袋に磁性流体を封入したものであり,シート下部へ配置した電磁石を用いて制御を行います.電磁石の励磁及び消磁の制御はマイクロコントローラを用い,電磁石からの磁場の印加により,ロボットの界面形状が変化し凸面を発生させることで,電磁石の励磁及び消磁の組み合わせにより界面上の凸面を移動させることで輸送を実現します.また,界面を微細に振動させることにより,平板の輸送が可能であることを示して来ました.
球体の輸送では,電磁石を共有する近接領域にて輸送を行いますが,それぞれの制御を同期させるとともに輸送物の静止時間を設けることで安定して輸送が可能であることを示しています.このように,シート型ソフトロボットのマニピュレーションとしての実用性を検証していきます.
年度: 2013-
メンバー:
利根 忠幸
鈴木 健嗣
共同研究:
Tags:
- 次世代知能化技術
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