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痛みを知覚するロボット
人間型ロボットによる能動的な稼働範囲の獲得
Action oriented probabilistic self-modeling for a humanoid robot


本研究では,人間型ロボットが能動的な動作に基づき自己及び環境との相互作用を通じて自身の可動領域を学習する手法を提案するものである.制御対象として取り上げる人間型ロボットの腕部は,冗長自由度を持つマニピュレータであり,一般に自己衝突や外部環境との衝突が発生する問題がある.また,未知環境での利用を考えた場合,環境の変化に対して適応可能なシステムが必要である.

提案手法は,関節駆動部のアクチュエータに流れる電流に基づき,異常な接触などによるアクチュエータへの過負荷を検出することで,駆動部の保護を行うとともに,その際の姿勢情報に基づき自身が動作可能な領域を学習するものである.可動領域を学習するため,少ない学習データでも汎化能力の高い学習が可能であるベイズ学習を用いた.ベイズ学習に用いる学習データは制御対象である腕部の関節角度になり,関節角度空間上にてロボットの可動域に関するベイズ識別面が作成される.これにより,外部環境のモデルを予め用意しなくても,自身の動作負荷に基づき作業空間上における可動領域を学習することが可能であることを示しました.

まず,電流センサの値から異常な接触に基づく過負荷の検出が可能であることを示すとともに,提案する稼動範囲の獲得手法について述べる.次に,過負荷発生時の関節角度の履歴に基づき経路計画を行うことで,環境変化への適応が可能であることを示す.さらに,タスク実行中に獲得した過負荷発生時の関節角度を用い,ベイズ学習により可動領域の獲得が可能になります.最後に,制御・学習機構を連動させることにより,稼動範囲を動作に応じて逐次的にオンライン学習を行うとともに,環境変化に対して適応可能となります.


年度: 2006-

メンバー:
原田 篤
鈴木 健嗣

共同研究:
聖アンナ大学院大学
(伊)

Tags:
- 認知ロボティクス


本研究の一部は,文部科学省科学研究費補助金の支援を受けて行われております.


本研究は、グローバルCOEプログラム「サイバニクス:人・機械・情報系の融合複合」の支援を受けて行われております.

artslab
本研究は,イタリア聖アンナ大学院大学(人間型ハンド開発)との共同研究です.

 

発表論文他
  • Harada, A., Suzuki, K., "Action oriented bayesian learning of the operating space for a humanoid robot,” Proc. of IEEE Intl. Conf. on Robotics and Biomimetics (ROBIO), pp. 633-638, 2009
  • 原田 篤,鈴木健嗣,人間型ロボットによる変分ベイズ学習を用いた稼動範囲の獲得,情報処理学会第71回全国大会,滋賀,3R-1,2009.
  • 原田 篤,鈴木 健嗣,人間型ロボットによる環境変化に応じた作業空間の構築と動作計画,ロボティクス・メカトロニクス講演会2008 (ROBOMEC 2008),2A1-D13,長野, 2008.
  • Harada, A. and Suzuki, K., "Action oriented self-modeling and Motion Planning for a humanoid robot," Proc. of 2008 IEEE/RAS Intl. Conf. on Humanoid Robots (Humanoids 08), Korea, pp. 367-372, 2008.
  • 原田 篤,鈴木 健嗣,矢野 翔,人間型ロボットによる能動的な稼動範囲の獲得と動作計画,情報処理学会第70回全国大会,茨城, 2008.
  • Harada, A. and Suzuki, K., "Active acquisition of operating ranges and path planning for a humanoid robot," Proc. of IEEE Intl Conference on Robotics and Biomimetics, pp.739-744, China, 2007
  • 原田 篤,鈴木 健嗣,"人間型ロボットによる能動的な稼働範囲の獲得",情報処理学会第69回全国大会,早稲田大学, 2007.


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