現在,日本では自覚症状のないまま進行してしまう糖尿病,高血圧症,脂質異常などの生活習慣病の患者やその予備群が増加しています.そこで健康志向の高まりによりホームヘルスケアが注目されており,家庭用の健康機器が普及してきました.しかしながら,『三日坊主』という人の本質的な問題も指摘されており,この問題はホームヘルスケアにおいて長期的なデータを収集する上での大きな課題です.
そこで本研究では,この問題に対してアンビエントバイタルセンシングの一手法を提案し,解決を試みています.ここでは,人が自ら体位の固定をして計測を行うのではなく,生活空間に溶け込んだ複数のバイタル計測器により行為を妨げられることなく自動計測を行い,統合的かつ継続的にバイタルサインを取得し,統計的に有意なデータを蓄積することを目的とします.さらに蓄積したデータに基づき使用者の健康状態を適切にフィードバックすることにより,自己の健康管理のモチベーションを促進する人支援システムを提案しています.提案するシステムは,椅子型インタフェースをプラットフォームとしてアンビエントバイタルセンシングの実現を目指すものです.
ここでは,生体情報を取得するセンサ系・人が接触するインタフェース系・蓄積したデータから健康状態を表示するフィードバックから構成されます.このシステムによりマッサージチェアに座っただけでバイタルサインが取得,蓄積され,現在の健康状態を知覚可能になることを目指しています.
年度: 2010-
メンバー:
下柿元 智也
鈴木 健嗣
共同研究:
民間企業 (健康関連)
Tags:
- サイバニクス・拡張生体技術