神経筋疾患の一つであるパーキンソン疾患とはどういうものなのか、あるいはリハビリ中の患者の身体はどういう状況にあるのか。こうした他者の身体的・感覚的特性を理解することは、リハビリテーションやスポーツトレーニングといった場面において円滑な意思疎通を行う上で重要です。
しかしながら、こうした他者の運動に伴う身体内部の状態、すなわち体性感覚情報は伝達しにくく、かつ身体的に理解することが困難です。
そこでbioSyncと名付けた、生体信号計測と刺激に基づき運動感覚を相互に同調できる運動覚共有ウェアラブルデバイスを開発しました。イヤホンケーブルを用いて他者の身体とペアリングすることで、一方の筋活動をもう一方の筋骨格上で本質的に再現し同調することができます。これを実現するため、同じ電極を通して筋活動の計測と刺激を同時に行うことができる新しい電極システムを開発しました。
現在、振戦症状(手の震え)の転送と再現により疾患の身体知をプロダクトデザイナに提供することで、患者さんが利用する日用品のユーザビリティを改善する取り組みや、運動感覚の同調に基づく歩行機能回復リハビリテーションの支援に取り組んでいます。
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